ガラスの世界『Studio 可菜』を訪ねて。後編


こんにちは。前回から引き続き、美浜緑苑にあるギャラリー&ティールーム「Studio 可菜」さんよりお届けします。


前回の記事はコチラ!




「Studio 可菜」のオーナーである佐藤泰子さんは、主婦として二人の娘さんを育てながらガラス作家としても活動していました。(ご本人曰く、“作家”と言うよりガラスで遊び倒した!方が合っているようです。)


上の写真は1995年の『暮らしの手帖』。東京の原宿で個展を開催した際に取材された記事です。NHKのドラマ「とと姉ちゃん」でモデルになった大橋鎭子さんが当時、泰子さんの工房があった愛知県・半田市まで直接取材に訪れたそうです。


取材経験はそれまでにもあったそうですが、大橋鎭子さんは特別ステキな方だったようです。この記事も大橋さんによるものでした。



泰子さんはガラスの世界に入って5年くらいが経った頃、本場のヴェネチアングラスを作る現場を見たいとヴェニスに向かいます。言葉もわからない、お金に余裕がある訳では無い・・けれど、行ってしまおう!行けば何とかなる!そんな思いでガラス工房を訪ねました。


ところが、その工房は当時女人禁制と言うとても厳しい所でした。入れたとしても、勉強するのには結構なお金もかかるのです。


ここまでも、泰子さんの行動力に驚くばかりです。しかし、もっとすごいのは最終的にこの工房のマエストロに受け入れられてしまう所です。通訳の方のお力添えもあり、工房で学ぶことが許されました。


「何が作れるんだ?」と聞かれた泰子さんは「何も作れないから、教えて欲しいのです。」と熱意を伝えました。


泰子さんの吹いたガラスは窯へは入れてもらえませんでしたが、この工房に何度か通って勉強しました。短い期間の滞在ではその技術は簡単に習得できるものでは無かったそうですが、ヴェネチアングラスと言う憧れの世界を間近で見られることが何より嬉しかったそうです。






泰子さんにとってガラスは「絶対に自由にならないもの。」と言います。自分の手でガラスを触ることができない。そんな、思い通りにならないところに魅力を感じ自分の理想を追いかけて作り続けた30年はあっと言う間に過ぎてしまったと仰います。


その道を極めることは、とても大変な苦労があったのでは?とお聞きした所、「私は頑張るとか、歯を食いしばって何かをやるのは合ってないみたいなんです。考える前に、いつも先に体が動いてしまっていたの。」と笑いながら答えてくれました。


その後も、様々な技術を身につけたくてデンマークに勉強に行ったり、国内のいろんな場所で個展を開いたりしながら活動を続けられていました。


年齢を重ねガラスを吹くのが困難になってきたこと、やり尽くした思いがあったことから、体力に合ったことをやろうと、5年前からご自宅の一部でギャラリーとティールームをオープンさせました。





自分の作ったガラス作品や万華鏡、買い集めたものを見てもらい、来てくれた人たちに楽しんでもらえる場所を作った泰子さん。お料理が得意なことから、ここではランチも頂けます。



私たちはお寿司のランチを頂きました!優しい味とステキな食器で頂くごはんに感激。心が穏やかになる食事でした。



泰子さんの作られたものを見るだけでももちろん楽しいのですが、やはり「Studio 可菜」さんの一番の魅力は泰子さんです。家族がいても、自分の好きなことを妥協せず追いかけること。いくつになっても、自分の幸せは自分で作ること。それは同じ女性として憧れる姿でした。


「先のことを考えて心配ばかりするよりも、一歩足を踏み出せるかが一番大事なこと。やらなきゃ意味がないでしょ。」笑いながらそう仰る泰子さんの言葉に、私は大きな勇気をもらいました。


『何度でも人生はある。』泰子さんが、二人の娘さんの名前から一文字づつ取って名前を付けた「Studio 可菜」。オープンしたのは70歳の時のことでした。



『「梁塵秘抄」にあります“遊びをせんと生まれけん”の如く過ごしてまいりましたが、最終章をこの遊びで締め括れたらと思います。


どうぞお時間を見付けて、お付き合い戴きたくご案内申し上げます。』(オープンした時のハガキより。)



*Gallery & Tea Room "Studio可菜" * 

 愛知県知多郡美浜町美浜緑苑1-6-3 (map) 

 TEL:0569-87-5201 

 毎月1日~10日までの営業 12:30~夕方までオープン 

※ランチをご利用の際はご予約をオススメします。

-青海波-

- せいがいは - 愛知県知多半島よりお届けする 美浜のくらし。生活のあれこれ。

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